エナメル質形成不全の6つの原因と5つの対策

『エナメル質形成不全』こんな病名、聞いたことはありますか?

エナメル質形成不全とは、歯の表面のエナメル質が変形・変色している状態で生えていることを言います。
なんらかの原因があって起こることで、現代人の永久歯のおよそ10%がこのエナメル質形成不全であると言われています。

鏡で、ご自分の歯をよく観察してみてください。
歯自体が黄色や茶色に変色していたり、不自然なくぼみや尖りがある歯はありませんか?
その歯は、エナメル質形成不全の可能性があると言えます。

エナメル質形成不全の歯は、歯の機能的な面ももちろんのこと、見た目にも影響をおよぼしてしまうかもしれません。

もしご自分の歯がエナメル質形成不全だったら、どのように対策していけばいいか?
焦ることはありません。以下のことを頭に押さえていれば心配することではありません。

しっかりとお読みくださいね。

これからご紹介していきます!

エナメル質形成不全の6つの原因とは?

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では、まずはエナメル質形成不全の原因をご説明していきます。
どんな理由があって、このような歯になったのか?様々な要素が含まれています。

栄養障害

栄養失調は、エナメル質形成不全の大きな原因と言えます。
現代社会では考えづらいですが、過度のアレルギーがあり乳児期にかなりの食事制限があった場合は要注意です。
妊娠期間も同じことが言えます。
歯を形成している主な成分は、カルシウムとリン酸です。この成分の不足が、エナメル質形成不全につながります。
その他、ビタミン不足も原因です。特にビタミンD(魚にたくさん含まれます!)の不足には気を付けましょう。

早産

出生体重が低いほどエナメル質形成不全の割合が高くなります。
1500g以下の超低出産体重児の場合では60%以上に認められたという報告があります。
一番早い乳前歯は、妊娠2ヶ月頃からすでに歯の元が作られ始めます。お母さんのおなかの中にいる時は、体が作られていく大切な時間なのです。

過度のフッ素摂取

高い濃度のフッ素を長期間にわたり摂取すると、エナメル質形成不全の原因になると言われています。
市販の歯磨き粉に入っているような濃度ではなりません。

薬物の影響

妊娠期や幼児期に摂取した薬の影響により、エナメル質形成不全が発症することもあります。
抗生剤のアモキシリンが原因の可能性があると言われています。

ホルモンの異常

妊娠期のつわりや、ホルモン異常によって引き起こされる可能性があります。

遺伝の可能性

発生率は8000〜14000人に1人くらいであると言われ、ごく稀な原因です。
遺伝性のエナメル質形成不全では、乳歯永久歯全ての歯に症状が出ます。

これらが、エナメル質形成不全の原因といわれるものです。
的確に何が影響したのかを判断することは難しく、原因は不明のことが多いです。
しかし、妊娠期の生活やトラブルからのエナメル質形成不全に対する影響は大きいため、注意が必要です。

エナメル質形成不全の見た目の特徴

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実際にどのような歯をエナメル質形成不全というのでしょうか?
軽度なものから重度のものまで、出方は様々です。
エナメル質は一度作られると、二度と形成し直されるということはない組織です。
そのため、エナメル質が形成されている時期に何か障害が起こることで、そのまま爪あととなっての残り、
そのまま生えてくるので一生改善されるようなことはないのです。

軽度な場合の特徴

■歯が濃い白色をしている部分がある。
茶色や黄色の筋や模様が入っている。
これらが軽度な症状です。部分的にエナメル質がきれいに出来上がらなかった状態です。

重度な場合の症状

■歯の凹凸が深く、くぼみがある。
■なめらかな歯ではなく、溝ができたり尖っていたり、欠けているように見える。
歯が小さく、隣り合う歯との隙間がとても大きい。
歯の形そのものが変形してしまっているのは、重度な症状です。
この場合、中の象牙質と呼ばれる歯の組織が透けて見えてしまっているため、いずれの歯も黄色っぽい色をしています。

エナメル質の形成不全=その部分はエナメル質が弱い、ということになります。
したがって、虫歯になりやすいということなのです!
重度な場合は、歯の形が複雑なのに加え、中の象牙質のザラつきが表面に出てしまっているので、
汚れが付きやすくなっています。
そして、均一な白さでつるりとしたエナメル質とは、違う見た目になっていることが分かります。

自分の歯がエナメル質形成不全だった場合、どのように付き合っていけばようのでしょうか?

エナメル質形成不全の対策

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エナメル質形成不全の歯をそのままにしてしまうと、虫歯のリスクが高くなってしまいます。
また、見た目も気になるところですよね。対策方法をご紹介していきます!

フッ素でエナメル質を強化

フッ素はみなさんご存知ですか?
■唾液の中のミネラルが歯に取り込まれやすいようにし、再石灰化を促進
■歯の質を強化して、酸で歯が溶けにくくする。
酸の生成をおさえる。
これが、フッ素の性質です。これによって虫歯予防をします。
エナメル質形成不全の歯にも、フッ素を使って歯質を強化してあげるのです。
ほとんどの歯磨き粉に含まれる成分です。市販のものでは、濃度に制限があります。
定期的に歯科医院で高い濃度のフッ素も塗ってもらい、その都度経過観察を受けましょう。
※エナメル質形成不全の原因のフッ素は、市販薬以上の濃度のフッ素を日常的に使用した場合になります。

被せ物やプラスチック剤での補強

歯科医院にて、エナメル質形成不全の部分を治療して治すことができます。
プラスチック剤での補強は、部分的に形成不全が起こっているところに可能です。
被せ物での治療は、歯の形が変形している重度な症状に適しています。
上から綺麗な被せ物をすることで、審美的にも機能的にも、役割を果たせる歯にできます。
前歯のエナメル質形成不全には、ラミネートベニアと呼ばれる治療方法があります。
表面部分のみを薄く削って型どりを行い、板のようなタイプの歯を貼り付けます。
そうすることにより、前歯の裏側の舌触りはそのままに、神経をとることなく治すことが可能です。

ホームケアでの対策

自宅でも、エナメル質形成不全の部分を虫歯にしないようにケアすることが可能です。
全体に使用する歯磨き粉だけではなく、エナメル質形成不全の部分にさらにフッ素を塗ってあげます。
この場合は、ジェルタイプなどの停滞性の良い材質のものがオススメです。
また、歯磨きもとても重要です。
エナメル質形成不全の部分は、虫歯に弱い上ザラつきが強いので汚れが非常に付きやすくなっています。
全体のブラッシングの他に、その部分だけさらに丁寧に磨いて汚れを確実に落としてあげましょう!

このように、軽度の場合であれは部分的なケアを、重度な場合は被せ物等で補強をすることにより、
エナメル質形成不全を修復する、もしくはそこからの起こりうるリスクを下げることが可能なのです。
でも、対策方法は十分にあるのは分かったけれど、できる限りこの病気を避けたい!
と思うのが正直なところですね。

エナメル質形成不全の予防策

すでに生えているエナメル質形成不全の歯は残念ながら対策・治療をするしかありません。
ですが、エナメル質形成不全ではない歯で、歯ぐきの中で生えるのを待機している時であれば、
できる限りの予防をすることは可能です。これからお話するのは、乳歯期にできる予防策のことになります。

虫歯にしない

乳歯が虫歯になり治療をせずに歯の神経まで虫歯になってしまうと、すぐに進行し歯の根の先に膿が溜まります。
この膿が下に待機している永久歯のエナメル質に影響し、エナメル質形成不全を引き起こします。
乳歯の虫歯の進行は、非常に早いです。
虫歯に気がついたら、すぐに治療をしてもらいましょう。

歯に衝撃を与えない

乳歯に強い衝撃が加わることでも、下に待機している永久歯をエナメル質形成不全にしてしまう可能性があります。
子供が転んだり何かにぶつたりする時、上の前歯は非常に衝撃が加わることが多く危険です。

全身的な疾患や遺伝性のものでエナメル質形成不全だった場合ではなければ、永久歯のエナメル質形成不全は
予防ができる
ことがお分かりいただけましたでしょうか。

乳歯がエナメル質形成不全だったら?

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では、乳歯がエナメル質形成不全だった場合。この場合は、上手に付き合っていくしか方法はありません。
きちんとしたホームケアと、歯科医院へクリーニングに定期的に行ってフッ素塗布をしてもらいましょう。
また、虫歯にしないために食生活でも注意が必要です。
おやつは歯にくっついてしまう物は避けて、ジュースや乳酸菌飲料、スポーツドリンクなどの糖分の多く含まれた飲み物もなるべく控えましょう。
食べたあとは必ずすぐに歯磨きを行い、歯がすぐ磨けない場合でも口を水でゆすぐ等の対策をしてあげてください。
ただ、乳歯がエナメル質形成不全だからといって永久歯は必ずしもエナメル質形成不全ではありません。
生えてくるまでは分かりませんが、ご安心ください。

エナメル質形成不全でも歯を白くできる可能性はある!

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エナメル質形成不全は、ホワイトニングが全くできない!というわけではありません。
軽症の、部分的な濃い白色のケースでは、周囲の歯を白色部分と同程度の白さに追いつかせることで
白く見せることができる可能性があります。
また、全体の色味を少し明るくすることもできます。
禁忌のケースもありますので、歯医者さんで相談してみましょう!

エナメル質形成不全のこと、お分りいただけましたでしょうか?
自分の歯がエナメル質形成不全だったら。不安になることもありますが、色々な対策方法があるので
自分に合う方法で、上手に付き合っていきましょう。